2012年7月31日火曜日

「終末期の対応と理想の看取りに関する実態把握及びガイドライン等のあり方の調査研究」の調査結果報告書を発表

(社)全日本病院協会(全日病・東京都千代田区)は4月13日「終末期の対応と理想の看取りに関する実態把握及びガイドライン等のあり方の調査研究」の調査結果報告書を発表した。この調査は全国の病院2100件及び介護事業所(特養・老健、介護療養型老健、グループホーム、訪問看護ステーション)3084件を対象にアンケート方式で実施したもの。合計1941件から回答が寄せられた。

「意思確認困難」施設の重要課題

まず100床(または利用者100人)あたりの年間死亡者数は、一般病床のみの病院で80人、療養病床のみの病院で45人。特養13人。老健・グループホーム各5人などとなっており、医療・介護問わず終末期対応・看取りの必要性が高いことが伺える。

終末期ガイドラインについては6~7割の事業所が「あった方がよい」としている。しかし、実際に終末期ガイドラインを利用しているのは病院で30%強、介護保険施設で50%強、グループホームで50%弱に留まっており、必要性の認識と実際の利用にはギャップがある。

また、利用している終末期ガイドラインの多くは「自施設で作成したもの」であり、厚生労働省や(社)日本医師会、全日病などで作成したものは数%以下の非常に低い利用率に留まっている。

これに対し全日病では「基本的にはガイドラインは統一したものであるべき。現状は施設独自のものが多いが、統一・普及に向けた取り組みが必要」している。

「終末期ガイドラインに明記すべき事項」では「意思確認できない場合の対応」が最も多く、以下「終末期の定義」「終末期の決定プロセス」「本人の意思確認の方法」と続く。また、「緩和ケア・看取りを行うにあたっての問題点」を尋ねたところ、緩和ケア・看取りの経験が無い場合は「適切な方法がわからない」「医療従事者の不足」 などが多く、経験がある場合は「患者本人の意思確認が困難・不十分」「患者・家族と話し合う機会が不十分」などが多くなっており、経験の有無で問題意識が大きく異なることが明らかになった。

また、各調査対象の利用者家族に「リビング・ウィル」という言葉の認知度を尋ねたところ「今まで知っている」という回答は10%台に留まった。

今回の調査結果を受けて全日病では(1)終末期に関係する法律の整備(2)医学生・看護学生等へ対する終末期ケアや医療倫理の教育充実、医療・ケア提供者への研修充実(3)認知症問題・胃ろう問題も含めた国民的議論の推進などを提言している。(4月25日号)
 

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